うんちの化石を見に行かない

 通勤路に、干からびたうんちが落ちていることに気づいた。

という一文がブログの下書きに残っていて、あのうんちのことを思い出した。

 

 渋谷から青山に行く途中のあの道は、新しい職場、新しい住居、新しい自転車のための道だった。時はたち、あらゆることに慣れきったころ、そこにうんちが落ちていて、日を追うごとにに気になりはじめた。

 そのうんちは誰にも片付けられず、晴れの日には干され、雨の日にも流されず、不思議とずっとその辺にある。慣れきった毎日に突如現れた不動のうんちに、私は少し興奮していた。

 

 そのうちその現象にも慣れきって、うんちのことなんかも忘れて、私は引っ越しをした。私にはまた新しい道ができた。多分もうあの道は通らないし、うんちは今頃化石になってるだろうけど、私は見に行かないと思う。